【10月25日 AFP】英劇作家ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の著作とされている17作品が、他の作家との共著であることがこのほど分かった。今月刊行の作品集の新版で明らかにされた。共著については、ビッグデータの利用から判明したという。

 この新刊によると、史劇3部作「ヘンリー六世(Henry VI)」は、シェークスピアとライバル関係にあったとして知られるクリストファー・マーロウ(Christopher Marlowe)が共著者だったという。

 新版の編集は2009年1月に始まり、5か国の研究者18人が著作者の問題をめぐり激しい議論を重ねた。

 編集者らによると、シェークスピアとマーロウは互いに影響を与え合うライバルではなく、1591年に書かれたとされている「ヘンリー六世」を共に手掛けたことが明らかになったという。

 研究ではビッグデータを使い、階級など当時の特定の社会集団に固有の「社会方言」や、個人に特有の言語習慣を検証。同時代の他の作家と比較して、作家が多用していた単語や表現を特定した。

 編集に携わったフロリダ州立大学(Florida State University)のゲイリー・テイラー(Gary Taylor)氏は、「マーロウが3部作の全作品の一部を書いたことは、研究チームのメンバー全員が確信している」と述べた。(c)AFP/Robin MILLARD