タイトルの「日本のいちばん長い日」とは、昭和天皇や閣僚たちが御前会議において降伏を決定した1945年(昭和20年、明治78年)8月14日の正午から、国民に対してラジオ(日本放送協会)の玉音放送を通じてポツダム宣言の受諾を知らせる8月15日正午までの24時間を指している。
陸軍将校の暴発(宮城事件)や厚木飛行場の小園安名大佐の反乱(悩乱)、政府首脳等の苦衷を通して、ポツダム宣言の発表の後、広島と長崎への原子爆弾投下を経て迎える8月14日から15日にかけての極限状態の一日を中心に、ポツダム宣言を受諾するまでの大日本帝国の姿を描く。テーマとは別に異常なまでのカットバックとナレーションの多さも、多くの議論を起こした。今日でも脚本家「橋本忍」論の重要なテーマである。
原作はクレジット上では「一億総白痴」「駅弁大学」など多くの名言を残したジャーナリスト・評論家の大宅壮一となっているが、実際は当時文藝春秋の編集者で、後に作家となる半藤一利が執筆した。俳優陣も三船敏郎以下豪華な顔ぶれとなり、いわゆるオールスター映画とされる。
ラストの青年将校たちが疾走する砂利が敷かれた広場は本物の皇居二重橋前であり手持ちのカメラも含め、普通は撮影許可は下りない場所である。監督の岡本喜八は逮捕を覚悟の上でゲリラ的にロケを敢行したとされる。
なおエンディングの配役クレジットタイトルは、昭和天皇役の八代目松本幸四郎以外は登場順で表示された。
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