たまには良いか…。
独立愚連隊西へ
北支戦線。歩兵第四六三連隊は八路軍に攻撃を受け、軍旗を抱いて脱出した北原少尉を残し、玉砕した。北原の消息は分らなかった。師団本部は将軍廟の第四六三連隊留守隊長大江大尉に軍旗捜索を命令し、増援隊として現役小隊を派遣した。その小隊は、隊長左文字少尉以下、日本軍隊からは厄介者扱いを受け、危険な戦線ばかりを転戦している独立左文字小隊だった。将軍廟の新米歩哨兵に小川を渡河中敵兵とまちがえられ、裸のままで追い払われた。神谷一等兵は行万不明となった。裸で兵隊は勤まらぬ。左文字小隊は味方の軍用トラックを襲撃、被服、武器を揃えて将軍廟に入城した。が、事件が暴露、全員重営倉となった。一方、師団本部から軍旗捜索視察のため将軍廟に向った新任参謀新田は、慰安所の主人早川に射殺された。早川は戦友を自決させた新田を狙っていたのだ。岩陰で見ていた神谷は、新田に化けて将軍廟にのりこんだ。彼は驚く左文字隊員を軍旗捜索隊に任命、大江大尉を尻目に将軍廟を後にした。第一次軍旗捜索隊全滅の地に着いた。八路車に取りかこまれた。投降を呼びかける日本女性が探していた恋人羽島だと知った小峯衛生兵は、戸山軍曹とともに敵陣に潜入、彼と元陸軍中尉金山をひっさらった。やがて隊は、第四六三連隊玉砕の地に着いた。隊の前を中国の花嫁行列が行く。その先頭に立つ旗竿、それは失われた軍旗のものだ。左文字は洞窟で軍旗を抱いて傷つける身を横たえる北原を発見した。北原は左文字に軍旗を渡すと自決しようとしたが、止められた。部下の許に帰った左文字は北原は自決したといった。軍旗は戻った。だが、これを狙う八路軍のスパイ金山と、二階級特進を狙う関軍長が本性を現わした。関は戦争のない世界へ脱がれようとした小峯と羽島を射殺した。隊は再び八路軍に包囲された。左文字は金山を梁隊長に引渡し、決戦の時を待った。が、梁大隊は空に向って発砲し引揚げた。男と男の友情なのだ。軍旗は無事将軍廟に帰還した。しかし隊を待っていたのは、直ちに最前線へ直進せよとの命令だった。関は憲兵殺しとして逮補された。独立左文字小隊は再び戦線に向った。