圧巻の美輪明宏 静まり返った「ヨイトマケの唄」
2012.12.31 23:07 [2012紅白ライブ]よかった!
注目の美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」。戦前、戦中、戦後の激動の時代を、貧しく苦しくとも互いにかばい合い、生き抜いた親子の絆を描いた歌だ。SMAPの木村拓哉さんが「親が子を思い、子が親を思う、無償の愛の歌をお届けします」と紹介した。
暗転したステージに「父ちゃんのためならエンヤーコーラー」と、振り絞るような声が響く。民族音楽を思わせる太鼓が続く。
明かりがともると、シンプルなスーツに身を包んだ美輪さんが浮かび上がった。美輪さんは身ぶり手ぶりで「貧しい土方」の親子の物語を繰り広げる。演出はスポットライトのみ。歌というより、一つの舞台のようで、水をうったように会場は静まりかえった。圧巻の歌唱は、6分にわたってお茶の間に届けられた。
終演後、美輪さんは「私のコンサートと同じで、一人一人の観客の人生に、歌がしみこんでいくのが分かった」と語った。さらに「親御さんのいない子供はいない。今、親が子を殺し、子が親を殺すことがよく起きている。一人でも、そういう人がいなくなるように、起こらなくなるようにという曲です」と、目に涙を浮かべながら語った。
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