佐村河内さん楽曲は別人作=番組制作のNHKも謝罪−ソチ五輪高橋選手が使用
両耳が聞こえない作曲家として知られ、CDがクラシック曲としては異例の売り上げを記録している佐村河内守さん(50)の「交響曲第1番 HIROSHIMA」などが、別の作曲家によって作られていたことが5日、分かった。特集番組などを制作したNHKも同日朝のニュースで「本人が作曲していないことに気付けなかった」とおわびした。
代理人弁護士によると、十数年前から楽曲の記譜行為は特定の別の人物が行うようになっていた。具体的には、佐村河内さんが提案した楽曲構成、イメージをその人物に具現化してもらう形。佐村河内さんは「ファンの方々を裏切り、関係者の方々を失望させたことについては、決して言い訳のできないこと」と反省しているという。
佐村河内さんは広島市生まれの被爆2世。4歳でピアノを始め、作曲は独学で対位法や管弦楽法などを習得。35歳で聴力を完全に失ってからも、耳鳴りなどの体調不良と闘いながら、絶対音感を頼りに作曲を続けているとされた。
2008年初演の「交響曲第1番 HIROSHIMA」が東日本大震災後、“希望のシンフォニー”として注目された他、被災地の少女のために作曲した「ピアノのためのレクイエム」などがある。ソチ冬季五輪でフィギュアスケートの高橋大輔選手がショートプログラムに使う楽曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」も本人作ではないとみられる。
佐村河内さんは昨年12月、時事通信社の取材に対して「耳が聞こえなくなってからは外の音に頼らずに内側から音を生み出さねばならず、とてもつらいし時間がかかる。それでも、耳鳴りのはざまから降りてくる楽想が、自分にとって真実の音だと信じている」と話していた。(2014/02/05-12:00)
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