夏目漱石の手紙みつかる
夏目漱石が熊本県に教師として赴任するにあたり、同僚だった教師にあてた直筆の書簡などの資料が和歌山市内の住宅に保管されていたことがわかりました。
この書簡には当時の心境をしのばせる未発表の俳句も添えられています。
見つかった書簡は、夏目漱石が29歳の時に勤務していた愛媛県尋常中学校で同僚の教師だった猪飼健彦さんにあてたもので、先月、和歌山市の猪飼さんの子孫の家で見つかりました。
当時の漱石は熊本県にあった第五高等学校に赴任することが決まっており、書簡は猪飼さんが別れのあいさつに送った手紙への返礼と見られています。
書簡とともに俳句がかかれた短冊も見つかり、「死にもせで西へ行くなり花曇」という句は、未発表のもので、熊本に旅立つ漱石の心境をしのばせる内容になっています。
愛媛県の中学校をやめて熊本県に赴任した経験は、のちに、小説「坊っちゃん」のモデルになったといわれています。
猪飼健彦さんのひ孫の松田智子さんは、「有名な夏目漱石の資料が自宅で見つかったことにとても驚きました。漱石の作品はユーモアにあふれていますが、そういう点で曽祖父とは気があったのかもしれません」と話していました。
06月10日 19時56分
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