通行規制解除の国道6号富岡-双葉間
<バリケード>車の屋根に取り付けた小型カメラがバリケードで閉鎖された民家や商店を写す。人の姿を見かけることはなく、ただ車が通り過ぎるだけだった=福島県大熊町熊
福島第1原発事故後、通行規制が続いていた福島県富岡町-双葉町の国道6号(14.1キロ)が3年半ぶりに自由通行となって10日余り。道路規制は解除されたが、周辺一帯は今も帰宅困難区域に指定される。家の門前がバリケードでふさがれた住宅街、雑草に覆われた農地…。沿線の風景を車から撮影した。
浪江町から南下する。以前は警察官らが警備し、出入りの度に開閉していたゲートを止まることなく通過した。
2013年3月に取材した際は波打っていたアスファルト道路が、きれいに舗装されていた。対照的に、バリケードで囲まれた住宅は崩れたままだ。大熊町夫沢からは、廃炉作業が続く福島第1原発が見えた。排気筒や作業用クレーンがひときわ目を引く。
被ばくを気にしてだろうか。ほとんどの車両は足早に通り過ぎる。今回、15分ほどの道のりを3往復した。車内での積算線量は2マイクロシーベルト。6号の全面開通で復興の加速が期待されるが、沿線の景色からは住民の帰還がいつになるのか想像できなかった。(写真部・伊深剛、川村公俊)
<9.740マイクロシーベルト>国道沿いに立つモニタリングポストは9マイクロシーベルトを示す。住民が戻れるのはいつの日だろうか=福島県双葉町長塚<絡まるツタ>閉鎖されたままのガソリンスタンド。給油機にはツタが絡みつき、原発事故からの年月の長さを物語る=福島県双葉町新山<作業続く>福島第1原発から約3キロ地点、構内のクレーンや建設中の施設が見えた。廃炉に向けた作業が続いているようだ=福島県大熊町夫沢
2014年09月29日月曜日
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