【腸に関する驚くべき11の事実】
私たちの消化器官(主に腸)に住む微生物は、日々素晴らしい連携で働いてくれています。彼らの橋渡しのおかげで、体は堅固な免疫バリアーを持ち、新陳代謝が行われ、ビタミンを作り出し、体の各器官の細胞と連絡を取り合ってそれらをうまく動かすことが出来ます。
この消化システムの目的は、栄養を体の各細胞に行き渡らせることです。
それがうまくいかないと、私たちは疲れてだるく感じたり、頭でちゃんと考えられなかったり、何らかの不調が起こったりします。それでも放っておくと、これらの不調は本格的な病気へと発展していきます。
近年ではこの消化器官系やそれにまつわる疾患が蔓延しています。それらは大体、私たちが普段食べる食品や暮らし方に起因しています。
ここで、消化システムの機能に関しての研究で、最近分かってきた事実について列挙してみたいと思います。
1 腸内の面積を全部平らに広げると、それはテニスコート一枚分の広さにもなる。
2 免疫システムの約70%は腸にある。
3 人体の全細胞の90%は腸内細菌叢(約100兆個)で、私たち自身なのは10%のみである。(それをこれまで無視し、10%の殻のことだけを考えてきたため、今日の悪い健康ステータスの兆候を引き起こしている)
微生物はコミュニティとしてヒトと共生して暮らしており、このコミュニティの健全具合が本人の健康・寿命を決める。このコミュニティが腸内細菌叢(腸内フローラ、マイクロバイオームとも言う)と呼ばれるものである。
4 腸内細菌叢のDNAの数は、ヒトのDNAの100〜150倍にもなる。このDNAたちはお互いに連絡を取り合っている。
5 人体内の微生物総量は0.9〜2.7キロだという事まで推測されており、 これは平均的な成人の脳の重さの2倍にもなる。
6 消化器官は「第二の脳」と呼ばれる。というのも、”べガス神経”という脳と腸を繋いでいる神経が断ち切られても、消化器官は問題なく機能するからである。この体系は腸神経系(ENS)と呼ばれる。
7 腸は脳よりもずっと多い神経伝達物質を生産している。実際、セロトニン※の80〜90%が腸で作られており、脳の神経伝達物質はどれもすべて、腸で見つかっている。
(※セロトニン: ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質)
8 消化器系の機能不全(リーキーガット)によって起こる健康疾患は、非常に多岐にわたる。(偏頭痛、うつ、リウマチ、集中力の欠如、自己免疫疾患、自閉症、線維筋痛,慢性疲労、多発性硬化症など)
実際、慢性疾患の約90%がリーキーガットと何らかの関係があるだろうと言われている。
9 あなたが食べた食品は、この腸内細菌叢や自分の遺伝子と対話する。
10 ヒトは無菌状態で生まれ、大体3歳までに自分の一生の細菌叢を確立する。赤ちゃんは、お母さんの産道を通るときにお母さんから最初の細菌をもらう。なので、帝王切開で生まれた子供はまた全然違った細菌叢を持ち、彼らはアレルギーや肥満のリスクが高いとも言われている。
11 研究によると、母乳を経由して母親の「善玉」腸内細菌が新生児の消化管に移住する。 腸内細菌は子供の免疫系の発達に関与しているため、子供の免疫系が健全に発達するうえで、母親の腸内環境が健全であることが大切である。母親の腸内細菌がどのようなルートで腸から母乳にたどり着くのかは不明だが、母乳に含まれている細菌が母親の腸内に存在していた細菌であることは既に分かっている。
腸についての研究はまだ若く、始まったばかりですので、これからまた新たな事実がどんどん分かってくると思います。人間の体って・・宇宙並みに深遠で驚異的ですね!
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