■「無いこと」にされている関東の子どもの健康被害
川根:
「放射能防護プロジェクト」に参加している、三田茂さんという医師がいます。
この3月に、小平市の病院を閉院して、東京から岡山へ、移住することを決断されています。
今年3月11日に、『報道ステーション』で、古舘伊知郎さんが、甲状腺がんの特集をやりました。
古舘さんは三田先生にも取材に行っています。
三田医師は、東京・関東の子どもたちの血液、特に、白血球の数値が低くなっている、と明らかにしました。
それは、柏市や三郷市のようなホットスポットだけでなく、埼玉市や川崎、横浜、相模原の子どもたちの数値も悪くなっている、と指摘しました。
話を聞いた古舘さんたちは驚いて、「先生の名前と顔が出るが、話していいのか」と聞きました。
三田先生は、「大事なことだから、きちんとした良い番組を作ってくれるなら出して構わない」と、OKを出しました。
ところが、数日後に連絡が来て、「実は、東京が危ないということは報道できない」と、全面カットになったそうです。
福島だけの問題になってしまいました。
三田先生は、他の医師にも、「甲状腺エコー検査機器を共同で買って、治療し直しましょう」と呼びかけているのですが、反応がない。
多くのテレビ局や新聞社からも、「東京の子どもの健康問題はどうなっているんだ」と取材を受けていますが、一本の記事にも番組にもなっていません。
今のマスメディアは、「東京は安全だ、危険なのは福島だ」という情報操作がなされているのです。
実際には、関東の子どもたちの健康状態が、悪くなっています。
具体的には、子どもたちの血液の数値が、非常に悪くなっています。
特に、白血球の中の、好中球の数値が下がっていて、病気が重篤化する可能性があります。
血小板も下がっています。
普段は20万ですが、2万を切ると、出血した際に血が止まらなくなります。
デッドラインを切る子どもたちが、増えているのです。
特に、0~2歳児の子どもは、非常に悪い。
白血球が、0になった子どももいたそうです。
大学病院では、診断はできても、治療はできませんでした。
三田先生は、そうした子どもの親には、
「この子はここに居ちゃいけない、避難しないと良くならない」と話すそうです。
九州に避難した子どもは、白血球が、4万5000に戻ったと聞いています。
放射線を受けると、骨髄細胞が、白血球を作り出すことができなくなります。
赤ちゃんは、急に具合が悪くなって、重篤な症状になることがありうるので、
急いで、白血球の検査をする必要がある、と言っていました。