柴田 例えば、ひとりの人間を見る時に、その人の今だけを見ても本質はわからない。でも、その人間がどう生まれて、どのように育ったのか? 過程を見ることができたら、なぜそういう人間になったかわかりますよね。
僕は単に「下山事件」の真相を暴くために書いているのではない。当時の世相の中で、なぜこの事件が起きたのかを知ってもらいたい、それによって「今、我々の生きている日本の社会がなぜこうなったのか?」ということをわかってほしいから書いたんです。
そこに真剣に向き合い、“今”を自分なりにつかみ取ろうという努力をすれば、そこから自分がやるべきことが見えてくる。それはおそらく権力者の思い通りにならない、権力者にとって都合が悪い存在。自分なりの知識と、しっかりとした考え、哲学を持った「ひとりひとりの国民になる」ということだと思います。
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