原発派の大御所<本澤二郎の「日本の風景」(2072)
<問われるべきは中曽根康弘>
史上空前の東電福島原発大惨事に関して、逃げる検察に対して、検察審査会が東電幹部3人を強制起訴すると決定した。検察審査会のいい加減さは、小沢事件だけではない。筆者も、息子の命を奪った東芝医療事件にも、検察の言いなりのお粗末審査会を膚で感じている。しかし、史上最大の放射能惨事に対する世論の高まりで、11人の素人審査員のうち8人が強制起訴に賛成した。3人は検察の回し者に違いない。情報公開すれば、いずれ正体が明らかとなろう。1歩前進に違いないが、本来、問われるべきは平成の妖怪・大勲位・中曽根康弘である。彼は従軍慰安婦にも直接、関与している。せがれが慰安婦否定の自民党責任者。中曽根こそが、改憲軍拡派の大御所でもある。
史上空前の東電福島原発大惨事に関して、逃げる検察に対して、検察審査会が東電幹部3人を強制起訴すると決定した。検察審査会のいい加減さは、小沢事件だけではない。筆者も、息子の命を奪った東芝医療事件にも、検察の言いなりのお粗末審査会を膚で感じている。しかし、史上最大の放射能惨事に対する世論の高まりで、11人の素人審査員のうち8人が強制起訴に賛成した。3人は検察の回し者に違いない。情報公開すれば、いずれ正体が明らかとなろう。1歩前進に違いないが、本来、問われるべきは平成の妖怪・大勲位・中曽根康弘である。彼は従軍慰安婦にも直接、関与している。せがれが慰安婦否定の自民党責任者。中曽根こそが、改憲軍拡派の大御所でもある。
<ナベツネも同罪か>
疑獄事件に繰り返し関与してきた中曽根である。それでも、うまい具合にすり抜けて、大勲位となった。ひとえに彼の盟友のナベツネのお陰といっていい。
ナベツネを「堕ちた言論人」と呼んでいるが、彼の正真正銘の大恩人・宇都宮徳馬は「忘恩の徒」と断じていた。宇都宮の無念が、今もよみがえる。悪が栄える日本でいいのだろうか。
今の安倍・自公の改憲軍拡路線の黒幕の一人でもあろう。中曽根やナベツネを評価する日本人はいるだろうか。極右・日本会議のメンバーくらいではないだろうか。
<東芝・土光敏夫とゼネコン鹿島>
土光と中曽根の深い結びつきは、中曽根が鈴木内閣で行政管理庁長官の時である。彼は、同じ原発派の土光を行政改革の責任者に起用した。同じ原発派という水面下の深い関係もあってのことだ。
中曽根は、佐藤内閣で科学技術庁長官に就任している。当時は末席の大臣に過ぎなかったが、中曽根は大満足だった。原子力行政の責任者になれたからだ。
いわゆる、原子力ムラの生存者の最高峰が中曽根である。それを新聞で吹聴してきた読売のナベツネ、ということになろうか。ナベツネ新聞が安倍を宣伝する裏事情なのだ。
原発は原子炉だけで作動するものではない。巨大な建造物で出来ているのだが、これの建設をゼネコンの鹿島が独占してきた。鹿島の支援者が中曽根である。親類関係にある。
原発は中曽根・ナベツネ利権と呼ばれる理由といえる。
<東芝・佐々木時代に3・11爆発>
土光のもとで原発に手を出した東芝は、それゆえに現在、回復不能の状態に追い込まれている。土光の配下が3・11のさいの東芝社長の佐々木則夫である。社内では「原発野郎」と呼ばれている。
3・11の原発大事故の原因は、いまや明白である。巨大地震による配管の破損である。大津波の前に原発は破壊されてしまっていた。鹿島にも大きな責任がある。
東芝製の3号機はMOX燃料を使用した、きわめて危険の高い原子炉である。ために核爆発を起こしている。そのさい、中性子を放出している。その被害は想像以上である。
まともな検事役弁護士であれば、東芝責任も問う必要があろう。
不正腐敗の検察は、意図的に、予想できなかった大津波による破損と決め付けて、事件を不起訴に持ち込んだ。政府の意向に従ったものとはいえ、ひどすぎる理由である。
佐々木時代に東芝は、原子炉生産に舵を切った。原発以外を斜陽産業と切り捨ててしまった。これに反発する勢力が、佐々木の大掛かりな粉飾決算を問題にした、と見られている。大掛かりな裏金作りが粉飾の背景にある。
佐々木はそうして政府の要職を手にする。先輩の西室泰三もそうである。西室の圧力を受けたような小泉純一郎は、原発推進に必死となった。3・11で、ようやく彼は目を覚ました。現在の反原発運動は、東芝・西室への怒りなのだ。
我が息子が東芝病院で、入院直後に100分も個室に押し込められるという看護放置で、痰が喉に詰まって窒息死させられた、その1年後に、3・11事件が発生している。
<広島・長崎を忘れた3・11天罰>
中曽根・ナベツネー土光ー佐々木という不浄な人脈が、東芝沈没の因である。
そもそも彼らには人間性が全くない。軍の慰安所設置を自慢話にする中曽根である。せがれは従軍慰安婦否定の論陣を張っている。父子揃って人間失格だろう。
3・11を目の前にしても原子炉生産に突進した佐々木は、その後、経団連会長になって、日本を原子炉輸出国にしようとした悪辣な人間である。
彼らには広島も長崎もない。正に天罰である。中曽根・ナベツネの晩年が注目を集める理由だ。
2015年8月1日記(日本記者クラブ会員・政治評論家・武漢大学客員教授)
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