http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/176.html
「黒田バズーカ3」で始めたばかりのマイナス金利にもはやダメ出し。その効果についてクルーグマン氏は、
I do think it was the right move to make but it is very hard to push it further. The effects are proving to be limited.
(マイナス金利はマイナス幅を広げるのは極めて難しいし、効果は限定的であることが証明されている)
とし、政権側の淡い期待を否定する。
安倍首相が国会で連呼する「構造改革」には反対しないものの、
That is not because I am against it but because structural reform seems largely beside the point on this crucial issue of boosting demand.
(構造改革議論が、差し迫った需要低迷やデフレ問題に取り組まぬための言い訳になっているようだ)
「出す」と言いながらさっぱりの「第3の矢」(成長戦略)の議論が、最重要課題から目を背けるための方便になるという。
極めつきは安倍首相がアベノミクスの成果として誇った円安や株高だ。企業業績が改善し、投資や雇用、賃金への波及を狙ったものだが、
the linkage between corporate earnings and corporate investment has always been weak.
(企業が儲ければ投資が増えるとする点については企業の収益と企業の投資との連関はもともと弱い)
会の途中では、安倍首相自ら「オフレコで」と発言する場面があるほか、司会者は終了時に「総理の発言は機密です」と念を押している。
会合の参加者はクルーグマン氏だけではない。ほかにも米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授や米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授ら世界的な権威を呼び寄せているのだ。
田代氏によると、例えばスティグリッツ氏の英文資料では、今年秋にある米大統領選の候補者全員が反対し、米連邦議会承認という関門もある環太平洋経済連携協定(TPP)もぶった切る。“objectionable”(いかがわしい)という強い単語を用いて「悪い貿易協定。投資条項は特にいかがわしい」と切り捨てているのだ。対外直接投資の円滑化についても、スティグリッツ氏は「雇用を減らす」と一刀両断。
With G-7 exporting capital intensive goods, importing labor intensive goods, a “balanced”increase in trade leads to lower employment
▼事務局訳<G7諸国による、資本集約財を輸出する一方で労働集約財を輸入するという「バランスの取れた」貿易取引の増加は、雇用を減少させる>
ところが、スティグリッツ氏の会合終了後、記者に対して事務局側が実施した説明の中では、なぜかTPPには触れずじまい。不可解だ。前出の田代氏は言う。
「呼びつけた学者が集団的自衛権行使を『違憲』と断じた昨年6月の衆院憲法審査会と同じですよ。とりあえず有名な学者を呼んで格好つければいいと思っていたところが、まさかの事態になった。当然この安倍首相のオフレコ発言を含む議事録はニュースになりますから、世界に知られる。官邸が日本を貶めているようなものです」
「事務局訳では、意図的に“inequality”の訳語を、不平等としています。アベノミクスにとって都合いい箇所では『格差』としていながら、不都合な所では『不平等』を使う。これは『格差』がテレビ局などが強い関心を寄せる単語だからでしょう。あえて避ければ、目に留まらずスルーされやすい。『金融緩和は格差を拡大した』とスティグリッツ教授は一刀両断しているのですが、意図的に変えているのだと思います」(田代氏
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