ホットパーティクル
鼻血と被爆症状の関係で出てくる話の代表格がホットパーティクルです。ホットパーティクルとは、アルファ崩壊に伴いアルファ粒子を放出し不溶性の微粒子をさします。主にプルトニウムの微粒子を指すことが多いようですが、1日100ミリシーベルトを超える放射線を放出する場合もあります。そのような放射能微粒子がさまよっているわけであり、フィルターなんかにも普通に検出されます。
東神戸診療所(神戸市中央区)の郷地(ごうち)秀夫所長が「福島県の鼻血は放射能被ばくが原因の可能性が高い」という調査結果を学会に発表しています。郷地所長が福島県からの避難者などを調査してみたところ、避難者の2人に1人ほどが家族などの鼻血を体験し、普段あまり鼻血を出さなかった子どもの報告数が特に多かったとのことです。郷地所長は金属粒子が鼻の粘膜に付着したのが引き金となった可能性を指摘しており、実際に福島原発事故では原発から飛散した放射性物質が金属粒子と結び付いているのが発見されています。
アレルギー等で粘膜が弱っている人ほど少ない線量でこのような被ばく症状を発症する可能性が高いとも郷地所長は述べています。ちなみにプルトニウムは飛ばないといわれますがこれは嘘であり、アメリカでも観測されています。プルトニウムはアルファ線核種なので外部被爆はそれほど問題になりませんが、内部被爆では電離作用が強いため問題となります。そしてそれは口や鼻や呼吸器など粘膜に移行しやすくなります。その影響を与えるのがホットパーティクルです。
一般に直径の大きな粒子は、鼻、咽頭、喉頭 などの上部気道に多く沈着し、直径が小さくなるに従い肺の深部に沈着する率が高くなります。実は福島の放射能だけに限らず、核実験、核兵器や劣化ウラン弾の軍事利用により、プルトニウムやウランといった人工の放射性物質の微粒子が日常的に放出されていて、環境内に普通に存在しているそうですね。1986年のチェルノブイリ原発事故でも放出されフォールアウトしました。
そんな毒だらけの世の中で生きているのだから、鼻血くらい当然といえば当然なのです。そして、ではなぜ鼻血が出る人と出ない人がいるのか、その違いを考えないといけません。
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