<中曽根(康弘)に会って、いきなり、 「キミらみたいなのは海軍魂を知らんだろうな」 と言われた美輪は、 「ええ、年齢が年齢ですから、海軍魂は知りませんけど、原爆にやられました。竹槍の練習もさせられたし、銃後の守りでいろいろやらされました」 と返し、さらにこう反論した。 「でも、おかしいですね。そんなに海軍魂とやらが大層なものだったら、何で負けたんですか。向こうが原爆つくってる時に何で私たちは竹槍をつくらされてたんですか」 中曽根の無礼に対する美輪の怒りは、これでとどまらない。 「自分の同僚を見殺しにして、おめおめと帰って来て、腹も切らないでのうのうとしている。そういう面汚しの厚かましいのが海軍魂なら、私は知らなくて結構です」 トドメを刺されて中曽根は憮然として席を立っていったという。 その後、新幹線に乗ったら、中曽根が先に座っていた。美輪の席はその真後ろである。それでも仕方ないから知らん顔をして座っていると、秘書が次の車両に行き、老夫婦を連れてきて交代した。逃げたわけである。 この逸話を紹介した後の美輪のタンカがまた気持ちがいい。 「男の風上にも置けない。てめぇ、キンタマついてん...
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