『 沖縄の春 』
桜が終わり
季節は春であるが・・・
私の知人に
沖縄出身のご夫婦がいる
私と同世代
戦後生まれの人である
奥様のお姉さんは
沖縄の防空壕で
1歳で亡くなられた
空襲や米兵に
殺された訳ではない
米兵から逃れるため
防空壕に隠れていた時
内地から来た日本軍の兵士が
「赤ん坊を黙らせろ!
米兵に見つかるじゃないか!」
黙らせるため
母親は赤ん坊の口を塞いだ
・・・
・・・
・・・
1歳の赤ん坊は
泣くことも出来ずに
母親に
強く抱かれたまま
戦の無い世界に逝ってしまった
この話を聞いた時
私は目頭が熱くなった
ご夫婦の話では
こうした赤ちゃんは
一人や二人でなかったらしい
赤ちゃんを「静かにさせろ」と
命令した軍人は
終戦前に
本土に帰ったしまった
とのこと
本土は空襲の被害はあったが
どの土地も戦場にはなってはいない
唯一、沖縄だけが
戦場となったのである
70年経った今も
沖縄は本土の犠牲になる
・・・
この図式に変化は無い
改めてサルトルの言葉が
思い出される
「 金持が戦争を起こし
貧乏人が死ぬ…」
古今東西
戦争では弱い者が
犠牲になるのが常である
そして
母の腕の中で
1歳で逝ってしまった女の子を
決して忘れてはいけない
忘れてしまっては
天国にいる彼女が悲しみます
幼い彼女を泣かせない
それが
「今、生きる我々の務め」です。
「 沖縄の春 」は未だ来ず・・・
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