宇宙を1冊の古文書として見るならば、その解読作業は劇的に進行しています。
それというのも、20世紀初頭に生まれた量子論と相対論という、現代物理学を支えている2本の柱が作られたからです。さらに、この2つの物理学の根幹をなす法則を駆使することによって、ビッグバンモデルと呼ばれる、宇宙の始まりの瞬間から現在にいたる宇宙進化の物語が読み取られてきました。
宇宙はまず、量子論的に「有」と「無」の間をゆらいでいるような状態からポロッと生まれてきました。これは「無からの宇宙創生論」といわれているものです。
そうして生まれた宇宙は、ただちにインフレーションを起こして急膨張し、インフレーションが終わると超高温、超高密度の火の玉宇宙になりました。
その後は、ゆるやかに膨張を続けます。
その間に、インフレーション中に仕込まれた量子ゆらぎが成長して、星や銀河が生まれ、太陽系ができて、地球ができて、その上に私たち人類が生まれるという、非常にエレガントな一大叙事詩というか宇宙詩とでもいうべきシナリオができ上がったのです。
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