木下貝層は12万年前の温暖期に海にたまった地層だ。その上に、斜交層理の砂がある。三角州の堆積物だろう。さらにその上に関東ローム層(赤土)が重なる。12万年だから12mある「べき」なのだが、4mしかない。このあたりだとロームの堆積速度が若干遅くなる傾向はあるが、あいだに不整合が挟まれているのではないか。いったん堆積したロームが浸食されて失われた。不整合面はよく観察すればわかる。きょうはその時間がなかった。最上部に黒土がみられないことから、この場所はかならずしも堆積条件がよいとは思われない。不整合ありそう。温暖期は、大陸上の氷が融けて海水面が上昇する。当時は、木下まで海が侵入していたというわけだ。東京23区はぜんぶ海の下だった。
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