Domah委員の「弁護人に取調べの立会がない。そのような制度だと真実でないことを真実にして、公的記録に残るのではないか。弁護人の立会が(取調べに)干渉するというのは説得力がない…司法制度の透明性の問題。ここで誤った自白等が行われるのではないか。…有罪判決と無罪判決の比率が10対1(㊟100対1の間違い)になっている。自白に頼りすぎではないか。これは中世の名残である。こういった制度から離れていくべきである。日本の刑事手続を国際水準に合わせる必要がある。」と、ズバリとメスを入れたコメントになったのだと思う。
これに対して、過敏な反応をしたのが、最後に日本政府を代表して、日本語で挨拶した上田人権人道大使だった。
「先ほど、『中世だ』という発言があったが、日本は世界一の人権先進国だ」と開き直った。びっくりしたが、大使はあわてて、「人権先進国の一つだ」と言い直した。
これに対する会場の、声を押し殺して苦笑する雰囲気を見て感じたのか、なんと、大使は、
「笑うな。シャラップ!」と叫んだ。
会場全体がびっくりして、シーンとなった。
議長が慌てて、「時間がないところで、(いらいらさせて)申し訳ありません。」などと取り繕っていた。
日本の傲慢さを目の当たりにした印象だ。アフリカの委員にまで言われたくない、という思いがあったのだろうか。戦前、このジュネーブの国際連盟で日本が脱退した時も、こんなだったのではないかと、思わず連想してしまった。
外務省の人権人道大使でありながら、条約機関の意義(当該政府と委員会の建設的対話
)を理解しているのだろうかと不安に思った。
ちなみに、この「人権人道大使」というのは、10年前の第1次安倍内閣のときに設けられ、上田氏は2008年に任命されたようだ。
本当は、この『中世』j発言と「シャラップ!」は新聞の1面トップに大きく報じられて然るべきだと思うのだが。
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