太宰の苦しみ、手紙で再発見 青森・県近代文学館で展示会
新たに収蔵された太宰の資料が並ぶスポット展
「人間失格」や「走れメロス」などで知られる作家太宰治(1909~48年)の生誕105年記念に合わせたスポット展「太宰治 新収蔵の書と写真」が、青森市荒川の青森県近代文学館で開かれている。
昨年から今月にかけて新たに収蔵された5点を含め、太宰唯一の句集や書簡など計8点を展示している。太宰が20代後半だった35~37年にかけての資料が中心で、入院や鎮痛剤の中毒症状、芥川賞落選などで苦しんだ様子をうかがうことができる。
義弟で洋画家の小館善四郎(14~2003年)に宛てた手紙には、芥川賞への確信や芸術観、金銭的な苦労がつづられている。手書きの句集「亀の子」は、近年新たに見つかった2冊目も展示している。
同館の竹浪直人主査(37)は「太宰にとっての波乱の時期がよく分かってもらえると思う。苦しみながらも芸術と向き合っていた強さを感じてほしい」と話している。
7月1日まで(26日は休館)。午前9時~午後5時、入場無料。連絡先は017(739)2575。
2014年06月22日日曜日河北新報
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