原発避難計画、悩む米仏韓 福島第一の事故で見直し
ワシントン=小林哲、パリ=青田秀樹、ソウル=貝瀬秋彦
2014年7月27日05時50分
米国やフランスなどの「原発大国」で、事故が起きた際の住民避難のあり方が見直されつつある。東京電力福島第一原発の事故後、各国で周辺住民らの不安が高まったためだ。だが、原発再稼働に向けて避難計画づくりの難しさに直面する日本と同様、各国とも住民を安心させる計画づくりには苦慮している。
米国では、原発から半径10マイル(約16キロ)を緊急計画区域(EPZ)に定め、自治体が緊急時の避難計画を定めることになっている。
しかし、福島第一原発の事故の際に米政府が半径50マイル(約80キロ)圏内の米国人に避難勧告を出したことを受け、各地でEPZの拡大を求める声が上がった。米連邦議会でも、上院の民主党有力議員らを中心に、住民避難を含む緊急時の対応の強化を求める動きが出ている。
福島第一原発と同型の原子炉をもつピルグリム原発(米マサチューセッツ州)では、避難計画の対象範囲拡大を求める住民運動が起きている。同原発は避暑地に近く、夏場に事故が起きた場合、数十万人が避難できなくなるおそれがあるためだ。
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