1139.「よくわかる放射線教室」を正しく理解する
・南相馬市のベテランママが作った「よくわかる放射線教室」が先日発売された
・放射線を「正しく」理解する本は、どこの誰が作っても同じストーリーとなる
・中身は2004年の日本地図を表示させたり、よくみると本の内部でも矛盾がみられる
NHKニュース(福島県のニュース)
この「坪倉正治のよくわかる放射線教室」は、こちらで無料ダウンロードできます。
灘中、灘高、東大理三医学部の超エリートである 坪倉正治先生の写真も掲載されています。10キロくらいやせられたようですが、大丈夫でしょうか。
放射線の「正しい」教育のパターンは、どのような場合も決まっています。
1.放射線はもともと自然界にある
2.食品にもカリウム40があってもともと内部被曝している
3.人工放射線も、自然放射線も放射線は同じで、変わらない
4.内部被曝も外部被曝も変わりはない(換算できる)
これ以外のストーリーではごまかせませんから、必ずこうなります。たとえば・・・(放射能安全デマのエッセンス-実効線量係数-)
・カリウム40
・内部被曝を外部被曝に換算できる
が主張の根拠になります。これをデマと言ったところで、IAEAが認めているのでなかなか難しい。もっとも、この実効線量係数の計算の仕方を理解している人は誰もいないのはたしか。私も調べましたが、結局わかりませんでした。
当然この本も安全デマ ストーリーにどっぷり浸ってます。
1.放射線はどこにでもある
食べ物にカリウム40がある。放射線の影響は、人工も自然も同じ
カリウム40は体内で飽和していますので摂取しただけ排出されますが、セシウム137は体内で飽和していませんので、摂取すればするだけ体内に蓄積されます。それを全く無視して、同じと言うこと自体がおかしい。ここを認めてしまえば、あとは簡単にだますことができます。ここは絵でごまかしていますが、実効線量係数を密かに登場させているわけです。(内部→外部被曝線量への換算)
WBCで測れる内部被曝量は、ごくごくわずかです。プルトニウムファイルでも書かれているように放射能が身体のどこに蓄積するかを測定するためには、身体の一部(髪、血液、歯)で調べる必要があります。それによって初めて、身体の各器官がどれだけ内部被曝しているかを評価できるのです。(過去の資料を見れば、簡単にわかる)それを、ハイテク日本ではWBCで測定できると嘘をついているわけ。
これではセシウム以外の核種・・ストロンチウム、ウラン、放射性銀 など様々な核種の分析は不可能。このWBCを金科玉条のごとく掲げて、「南相馬の人は被曝していない」(だから、病気になってもなんの賠償もしない)と主張しているのが、坪倉氏であり、ミスターゼロベクレルの早野であるわけです。
ミスターゼロベクレルが示しているように流通商品には、放射能が含まれていません。そして、この1ミリシーベルト被曝には毎日200ベクレルも食べる必要があるという計算式の中に、IAEAが過小評価している実効線量係数が含まれていることに注意しましょう。
フクシマで、汚染水をきれいにするのに四苦八苦しているのは、みんなご存じでしょう。それなのになぜ水道水は完璧に放射能が除去できるのでしょうか。そんな技術があるのなら、ただちにフクシマに行って、その設備を納めてもらいたい話です。凝集剤で水中の放射能が簡単に取り除けるのなら、ノーベル賞ものの発見なのですから。
そして、ひどいのがこの左側の日本地図。あれ?フクシマの線量って、ヒロシマよりも低いのか?・・・(ソース)と驚いてしまいました。なにせページの右側には、南相馬の線量は下がっていますと書かれていますのでたいていの人はそう考えるでしょう。しかし、よくよく見るとこの地図は、2004年作成・・つまりフクシマ以前の地図なのです。
これは、現在の町の様子を説明するのに、江戸時代の地図で説明しているようなもの。ウソではありませんが、何の役にも立ちません。実際、文科省の地図もあるのにいったいなぜ現実とは違う事故前の地図をわざわざ掲載するのか。何とかして安心させようという強力な意図を感じます。
次の記述は、原子力村の得意な、言い換え、すり替えが見事に結実しています。
原発被害で放射能を浴びた場合に、一番怖いのはその放射性物質による二次被曝です。これは、ヒロシマ、ナガサキでも救護被曝(3号被曝)といった概念で認められており、そのため除染が必要になるわけです。(事故の異常事態に於いて、表面で8000CPM)
これは、いわゆる「ピカの毒」がうつることを指し示しているわけですが、この説明図では
・放射線は、細菌のように増えない
・放射性物質は、放射線を出して減っていく
としか、書かれていません。この放射性物質(放射能)が、人に伝播して二次被曝を作っていくことがすっぽりと抜け落ちています。まず、放射能(放射性物質)はうつる(口に入る)こともあるので、身体をきちんと洗いましょうというのが、本当でしょう。なぜ、こういった明らかなデマを未だに宣伝しているのが、本当に理解に苦しみます。
フクシマ原発のがれき撤去で、放射性物質が飛び散ったと主張していたのは、南相馬市でした。それも、ことし7月の話です。
あきらかに放射能が飛んでいるのがわかっているのに、微量だからマスクの必要なしと主張するのは、どういうわけでしょうか。そんなに微量ならば、べつにこの程度の稲についた放射能など問題にする方がおかしいではありませんか。むしろ、このベテランママと坪倉氏は、このがれき飛散による放射能汚染ニュースについて、騒ぐと「風評被害」につながる、汚染はたいしたことないと抗議すべきなのではありませんか?
そして、安全安心、なんの心配もいらないと言いながら・・・最後には「定期的に検査を続けましょう」と締めくくる。
矛盾だらけの小冊子が、これほど大きくNHKに取り上げられ、作者達が英雄視されるのはいったいなぜなのでしょうか。
・放射線を「正しく」理解する本は、どこの誰が作っても同じストーリーとなる
・中身は2004年の日本地図を表示させたり、よくみると本の内部でも矛盾がみられる
NHKニュース(福島県のニュース)
放射線の正しい理解を
放射線に対する正しい知識を身につけてもらおうと、被ばくの仕組みや日常生活への影響などをわかりやすくまとめた冊子を南相馬市の母親たちのグループが作成し、今後、市内の小中学校などで配布されることになりました。
完成したのは「よくわかる放射線教室」と題された20ページほどの冊子です。
原発事故のあと、南相馬市を拠点に住民の被ばく検査を行っている東京大学医科学研究所の坪倉正治医師の協力を受け、地元の母親たちが寄付金を募って作成しました。
冊子には、身近な食材の中にも、もともと微量の放射性物質が含まれていることなどの基礎的な知識や子どもの健康に与える影響など住民の身近な疑問に答えるかたちで解説されていて、誰でも理解しやすい内容になっています。
また、南相馬市の内部被ばく検査で放射性物質が検出された人は数パーセントとごく一部にとどまり、山に自生している山菜やキノコなどを継続的に食べたことが原因となったことなどがイラストを使ってわかりやすく紹介されています。
この冊子は2万冊作られ、今後、南相馬市の公立の小中学校などに配布されるほか、希望があれば市外の学校にも配布する予定だということです。
冊子の作成に協力した坪倉医師は、「子どもたちが正しい知識を身につけて体の状況をきちんと理解し、不安や悩みを取り除くきっかけになれば」と話していました。
08月19日 09時12分
放射線に対する正しい知識を身につけてもらおうと、被ばくの仕組みや日常生活への影響などをわかりやすくまとめた冊子を南相馬市の母親たちのグループが作成し、今後、市内の小中学校などで配布されることになりました。
完成したのは「よくわかる放射線教室」と題された20ページほどの冊子です。
原発事故のあと、南相馬市を拠点に住民の被ばく検査を行っている東京大学医科学研究所の坪倉正治医師の協力を受け、地元の母親たちが寄付金を募って作成しました。
冊子には、身近な食材の中にも、もともと微量の放射性物質が含まれていることなどの基礎的な知識や子どもの健康に与える影響など住民の身近な疑問に答えるかたちで解説されていて、誰でも理解しやすい内容になっています。
また、南相馬市の内部被ばく検査で放射性物質が検出された人は数パーセントとごく一部にとどまり、山に自生している山菜やキノコなどを継続的に食べたことが原因となったことなどがイラストを使ってわかりやすく紹介されています。
この冊子は2万冊作られ、今後、南相馬市の公立の小中学校などに配布されるほか、希望があれば市外の学校にも配布する予定だということです。
冊子の作成に協力した坪倉医師は、「子どもたちが正しい知識を身につけて体の状況をきちんと理解し、不安や悩みを取り除くきっかけになれば」と話していました。
08月19日 09時12分
この「坪倉正治のよくわかる放射線教室」は、こちらで無料ダウンロードできます。
灘中、灘高、東大理三医学部の超エリートである 坪倉正治先生の写真も掲載されています。10キロくらいやせられたようですが、大丈夫でしょうか。
放射線の「正しい」教育のパターンは、どのような場合も決まっています。
1.放射線はもともと自然界にある
2.食品にもカリウム40があってもともと内部被曝している
3.人工放射線も、自然放射線も放射線は同じで、変わらない
4.内部被曝も外部被曝も変わりはない(換算できる)
これ以外のストーリーではごまかせませんから、必ずこうなります。たとえば・・・(放射能安全デマのエッセンス-実効線量係数-)
・カリウム40
・内部被曝を外部被曝に換算できる
が主張の根拠になります。これをデマと言ったところで、IAEAが認めているのでなかなか難しい。もっとも、この実効線量係数の計算の仕方を理解している人は誰もいないのはたしか。私も調べましたが、結局わかりませんでした。
当然この本も安全デマ ストーリーにどっぷり浸ってます。
1.放射線はどこにでもある
食べ物にカリウム40がある。放射線の影響は、人工も自然も同じ
カリウム40は体内で飽和していますので摂取しただけ排出されますが、セシウム137は体内で飽和していませんので、摂取すればするだけ体内に蓄積されます。それを全く無視して、同じと言うこと自体がおかしい。ここを認めてしまえば、あとは簡単にだますことができます。ここは絵でごまかしていますが、実効線量係数を密かに登場させているわけです。(内部→外部被曝線量への換算)
WBCで測れる内部被曝量は、ごくごくわずかです。プルトニウムファイルでも書かれているように放射能が身体のどこに蓄積するかを測定するためには、身体の一部(髪、血液、歯)で調べる必要があります。それによって初めて、身体の各器官がどれだけ内部被曝しているかを評価できるのです。(過去の資料を見れば、簡単にわかる)それを、ハイテク日本ではWBCで測定できると嘘をついているわけ。
これではセシウム以外の核種・・ストロンチウム、ウラン、放射性銀 など様々な核種の分析は不可能。このWBCを金科玉条のごとく掲げて、「南相馬の人は被曝していない」(だから、病気になってもなんの賠償もしない)と主張しているのが、坪倉氏であり、ミスターゼロベクレルの早野であるわけです。
ミスターゼロベクレルが示しているように流通商品には、放射能が含まれていません。そして、この1ミリシーベルト被曝には毎日200ベクレルも食べる必要があるという計算式の中に、IAEAが過小評価している実効線量係数が含まれていることに注意しましょう。
フクシマで、汚染水をきれいにするのに四苦八苦しているのは、みんなご存じでしょう。それなのになぜ水道水は完璧に放射能が除去できるのでしょうか。そんな技術があるのなら、ただちにフクシマに行って、その設備を納めてもらいたい話です。凝集剤で水中の放射能が簡単に取り除けるのなら、ノーベル賞ものの発見なのですから。
そして、ひどいのがこの左側の日本地図。あれ?フクシマの線量って、ヒロシマよりも低いのか?・・・(ソース)と驚いてしまいました。なにせページの右側には、南相馬の線量は下がっていますと書かれていますのでたいていの人はそう考えるでしょう。しかし、よくよく見るとこの地図は、2004年作成・・つまりフクシマ以前の地図なのです。
これは、現在の町の様子を説明するのに、江戸時代の地図で説明しているようなもの。ウソではありませんが、何の役にも立ちません。実際、文科省の地図もあるのにいったいなぜ現実とは違う事故前の地図をわざわざ掲載するのか。何とかして安心させようという強力な意図を感じます。
次の記述は、原子力村の得意な、言い換え、すり替えが見事に結実しています。
原発被害で放射能を浴びた場合に、一番怖いのはその放射性物質による二次被曝です。これは、ヒロシマ、ナガサキでも救護被曝(3号被曝)といった概念で認められており、そのため除染が必要になるわけです。(事故の異常事態に於いて、表面で8000CPM)
これは、いわゆる「ピカの毒」がうつることを指し示しているわけですが、この説明図では
・放射線は、細菌のように増えない
・放射性物質は、放射線を出して減っていく
としか、書かれていません。この放射性物質(放射能)が、人に伝播して二次被曝を作っていくことがすっぽりと抜け落ちています。まず、放射能(放射性物質)はうつる(口に入る)こともあるので、身体をきちんと洗いましょうというのが、本当でしょう。なぜ、こういった明らかなデマを未だに宣伝しているのが、本当に理解に苦しみます。
フクシマ原発のがれき撤去で、放射性物質が飛び散ったと主張していたのは、南相馬市でした。それも、ことし7月の話です。
あきらかに放射能が飛んでいるのがわかっているのに、微量だからマスクの必要なしと主張するのは、どういうわけでしょうか。そんなに微量ならば、べつにこの程度の稲についた放射能など問題にする方がおかしいではありませんか。むしろ、このベテランママと坪倉氏は、このがれき飛散による放射能汚染ニュースについて、騒ぐと「風評被害」につながる、汚染はたいしたことないと抗議すべきなのではありませんか?
そして、安全安心、なんの心配もいらないと言いながら・・・最後には「定期的に検査を続けましょう」と締めくくる。
矛盾だらけの小冊子が、これほど大きくNHKに取り上げられ、作者達が英雄視されるのはいったいなぜなのでしょうか。
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