賢治のはがきなど新資料11点 千葉の秀明大が発表
【東京支社】詩人で作家の宮沢賢治(1896~1933年)が盛岡高等農林学校(現岩手大農学部)時代の同級生に宛てた自筆のはがきなど新資料11点が見つかったと24日、秀明(しゅうめい)大(千葉県八千代市)が発表した。賢治の新資料がまとまって見つかるのは極めて異例。当時の交友関係や賢治の人柄が分かる貴重な資料といえる。
見つかったのは賢治が同級生の成瀬金太郎さん(香川県出身)に宛てたはがき8枚と封筒、校内の様子を収めたスナップ写真など。はがきはいずれも賢治が同校在学時から研究生時代の1916~20(大正5~9)年の間に書かれたもの。これだけ多数の資料が見つかるのは、賢治が学友の保阪嘉内(かない)さん(山梨県出身)に宛てた手紙73通が公表された60年代後半以来という。
仕事で南洋の島に渡った成瀬さんらに宛てた封筒には、同封した絵はがきについて「途中デヌスムモノガアッタラヒドイメニアワセテヤリマシャウ」とおどけた表現を使い、賢治のユーモラスな一面がのぞく。
在学時は、保阪さんら限られた友人との交流が主に取り上げられてきたが、新資料の文面は他の学友とも深くつながっていたことを裏付けている。また新資料と併せて、賢治が背表紙の文字をブロンズの粉で消そうとした珍しい「春と修羅」も見つかった。
資料はもともと成瀬さんがまとめて保管していたとみられ、秀明大の川島幸希(こうき)学長が昨年、都内の古書店で入手した。秀明大は11月8、9の両日開く大学祭で新資料を公開する。
【写真=宮沢賢治が盛岡高等農林学校時代の同級生に宛てた自筆のはがきや封筒】
(2014.9.25)
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