汚染雨水で監視協が現地調査
東京電力福島第一原子力発電所2号機の建屋屋上にたまった比較的高い濃度の汚染された水が排水路を通じて海に流れ出していたことを受けて、専門家などでつくる福島県の協議会が緊急の立ち入り調査を行いました。
福島第一原発では、今週になって2号機の原子炉建屋の屋上の一部から比較的高い濃度の汚染された雨水が見つかり、東京電力は、この水が排水路を通じて原発の港の外の海に直接、流れ出していたことを明らかにしました。
これを受けて、専門家や地元の自治体でつくる県の協議会のメンバー20人が27日、原発の構内に入り、緊急の立ち入り調査をしました。
一行はまず、高台から事故後、手つかずになっていた2号機の建屋の屋上の様子を確認したあと、東京電力の担当者から、汚染水が流れ出た「K排水路」と呼ばれる地下にある排水路の位置などについて説明を受けました。
また、先週、汚染水が港湾内に流れ出したとみられる別の排水路も確認し、放射性物質の濃度を調べるモニターや、海への流出を防ぐために設置された、ゲートの状況などを見て回りました。
今回の問題を受けて、東京電力は、建屋屋上の放射性物質を取り除くため、特殊な薬剤を入れた土のうを敷き詰める作業を27日から始めたほか、来月中にも、港湾の外に汚染された水が流れ出ないようくみ上げるポンプを設置する対策を取るとしています。
視察のあと、協議会のメンバーはほかの建屋の屋上にも汚染源がないか調査を行うことや、排水路や海水の監視を強化しすることなどを東京電力に求めました。
また、東京電力が、去年4月以降事態を把握しながら原因がわかるまで公表していなかったことについてメンバーからは、「対策を立てるまで公表を待つのではなく、異常が起きたらすぐに知らせるべきだ」といった批判が相次ぎました。
福島第一原発の小野明所長は「廃炉を着実に進めることが福島の復興の第一歩だ。県民の信頼がないと進められないことをもう一度思い起こして対応していきたい」と話しました。
02月27日 20時17分
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