汚染雨水でサブドレン先送りへ
東京電力福島第一原子力発電所から、汚染された雨水が海に直接、流れ出していたことが明らかになった問題を受けて、福島県いわき市漁協は、東京電力から求められている建屋周辺の地下水を浄化して海に流す計画について、「安全性を信頼できない」として当面、受け入れの判断を見送ることを決めました。
東京電力は、たまり続ける汚染水を減らすため福島第一原発の建屋周囲のサブドレンと呼ばれる井戸から地下水をくみ上げ浄化して海に流す対策を計画し、いわき市と相馬市の漁協などに実施の受け入れを求めています。
このうちいわき市漁協が27日幹部会議を開き、議論しました。
会議は非公開で行われましたが、出席者によりますと、汚染された雨水が排水路を通じて海に流出していたことを東京電力が去年4月以降、把握しながら公表していなかったことについて、出席者から「信頼を裏切られた」などと対応を批判する声が相次いだということです。
その上で、「計画の安全性を信頼できない」として、当面、受け入れの判断を見送ることを決め、新たな汚染水対策が暗礁に乗り上げる事態となりました。
会議のあといわき市漁協の矢吹正一組合長は、「怒りの言葉ばかりで議論は先に進まなかった。議論の再開の見通しはつかない」と話しました。
02月27日 20時17分
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