TPPにおける農業のいちばん大きな問題は、米を輸入するとかしないとかの問題ではないのです。日本はもう米作りなどやめたらどうですか、と言われているのですから。今の東北の地震で津波でやられたところは田んぼでした。例えば仙台平野。あそこは今潮をかぶってしまって米を作ることができない。
それではいっそのこと、全部セメントで覆って、巨大なハウスを作り、肥料をやり水をやって流して、水耕栽培で大量のトマトをそこで作る。そうしてそこに、デルモンテでもどこでもいいのですが、アメリカの大食料企業がきて、そのトマトを全部買います、全部トマトケチャップにして全世界にに売ります、と言われたらどうなりますか。
宮城県の農家はそのほうが儲かる。米作りはやめなさいということになる。ではどこから買うのですか。例えば麦、大豆、とうもろこし、これは今でも全部アメリカです。そして最後の米までも、アメリカにおんぶに抱っこ。日本はこういうことになる可能性があるのです。
アメリカの前のブッシュ大統領だって、フィリピンをひとつの例にあげて「自分の国で自分の食べる穀物を自給できないような国は、独立国とは言えない」と言ったのですから。
そういう状況を日本に作り上げようということがTPPの当面の目標ですよ。そうすると軍事的にも、経済的にも、食糧の問題も、すべてアメリカに従属することになってしまう。
(菅沼光弘「誰も教えないこの国の歴史の真実」(KKベストセラーズ・2012年)157~158ページ)
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