おそらく我々は戦争をも上回る悲惨を体験することになるだろう。
戦争がどれほどの人間を抹殺したところで、それは当事者世代だけに止まるのだけれど、「ゲノム不安定性」という核の悪夢は無限連鎖的に次世代遺伝子を破壊し続けるのであり、これまでニンゲンという種が経験したことのない世界を現出させるのだ。
汚染はすでに首都圏にまで及んでいる。行政府がウクライナの事故を凌ぐと公式に表明しているとおり、やがて災禍は放射線量と人口密度に比例して訪れるのだが、もはや我々は有責者を罰することも、補償を求めることも、社会資本の再配分を構想することも、それを議論することも、声を上げることすらできないのである。
日々ごとに心理的圧迫感が高まり、どう生きていくべきか途方に暮れたりするのだが、自分は今後人間的であることを止めようと考えている。
すでに生命は理性の領域ではなく本能の領域に拠るのであり、モラルよりも察知力が問われるのであり、「豚のように生き抜け」という言葉のとおり、今後あなた方も市民的規範や公式的倫理に縛られることなく、誰に後ろ指を指されようが、不恰好で惨めであろうが、友人や知人に関係を断たれようが、卑怯だと謗りを受けようが、軽蔑されツバを吐かれようが、あらゆる予定調和を裏切り、ひたすら自身と家族のことだけを考えて行けば良いのだと思う。
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