東京新聞
堀文子
「 国民に相談もなく、十分な説明もせず瞬く間に特定秘密保護法を衆参両院とも通過させた現政権の独断を私は許しません。
無謀な戦争を企て、何百万の兵士と国民の命を奪い、全国の都市を焼き、歴史が残した貴重な文化遺産を灰燼に帰した第二次世界大戦の苦難。その過ちの末、私たちが得た平和憲法は、日本人の血と命から生まれた世界史に残る戦争放棄の誓いでした。
日本が軍事行動を起こすため、政府は平和憲法を改正したいが、国民の同意を得るのは難しい。そのことを知った与党は、平和を装いながら特定秘密保護法をつくりました。
「国益のため」と本心を隠し、反逆者の名目で反対意見を抹殺するため、この法をつくったと思います。
平和を望む者を罪人にしてしまうかもしれないこの悪法は、かつての治安維持法そのものです。 この法のために国民の反戦意見は抹殺され、戦争の地獄への道連れにされたのです。
オリンピックに血道をあげさせ、国民を享楽的にさせた当時の国情と今の世相があまりに似ているのに私は戦慄を覚えます。
日本は再び危険な野望に向けて暴走を始めたように思えてなりません。今こそ国民が一致団結して危険な法の粉砕を図らなければ、後世に禍根を残します。
今なら入り口に戻り、路線を変えられます。
自民党の暴走を止めるのは、今を生きる国民の務めであり、責任です。
危急存亡のとき、国の暴走を許さぬ賢い日本人になる必要があるとつくづく思います。
画家 堀文子 95(神奈川県大磯町)」
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