マイナンバーに図書館貸し出し履歴までもが紐付けられるという悪夢のような構想が進んでいます。詳細は以下から。
総務省がまたもやマイナンバー普及に向けて危険な企みを始めています。絶対他人に知られてはいけないはずのマイナンバーの記載された個人番号カードを全国の地方自治体が運営する図書館の利用カードとして利用できるようにする仕組みを来年夏に向けてつくる方針を固めました。
事前に専用のポータルサイトでIDを作成し、図書館側は利用カードの番号をポータルサイトに登録します。これによって、マイナンバーの個人番号カード1枚で全国の図書館で本やメディアを借りることができるようになるとしています。
具体的には自宅近くの図書館と職場の近くの図書館で同じカードを使って借りられるようになるということ。正直なところ財布がカード1枚分薄くなるに過ぎません。なお、悪名高いTSUTAYA図書館がここに入るかについては現時点では不明。
この方針が恐ろしいのは、ただでさえ絶対他人に知られてはいけないはずのマイナンバーを記載した個人番号カードを常時携帯する必要が生じることの他に、図書館での貸し出し履歴までもがマイナンバーの個人情報に紐付けられてしまうということ。
図書館には「図書館の自由に関する宣言」があり、その第3には「図書館は利用者の秘密を守る」とあります。
1. 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。
ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
2. 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
3. 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。
(図書館の自由に関する宣言より引用)
このように、図書館で誰が何を読むかについてはプライバシーに属することであり、外部に漏らしてはならない秘密であるとされています。
この貸し出し履歴がマイナンバーに紐付けられ、その他の情報と共に集約されてしまうということは極めて危険。図書館の外部のマイナンバー管理者側が閲覧、利用する可能性も十分考えられますし、セキュリティを破られてマイナンバーの個人情報が流出した場合には、貸し出し履歴も同時に流出することになります。
これまでの経緯を見ても、マイナンバー関連のセキュリティの甘さや手続きの不手際さは目に余るものがありました。今後マイナンバー関連の流出事件が発生する可能性は十分にあり得ると考えておいた方がいいことは間違いありません。
既に最初の「絶対知られてはいけないマイナンバー」という前提は完全に崩壊しており、ここに個人情報を集約させてゆくのは情報化時代において自殺行為としか言いようのない状態になっています。
マイナンバー制度の廃止が強く求められます。
全国の図書館、カード1枚で=マイナンバーで来夏にも-総務省:時事ドットコム
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