豊橋で墨の絵画展開く
02月02日 19時04分
江戸時代の水墨画や墨を塗った現代の日本画など、墨を素材にしたいろいろな絵画を集めた展示会が愛知県豊橋市で開かれています。展示会は、豊橋市美術博物館が古くから画材として使われてきた墨が描き出すモノクロームの世界の面白さを知ってもらおうと開いたもので、水墨画や現代の日本画など、墨を使って描かれた60点余りの作品が展示されています。
このうち、江戸時代に旧吉田藩の御用絵師だった稲田文笠が描いた「山水図」は中国の風景を思い描いたもので、墨の濃さによって風景の距離感を出す水墨画の技法が使われています。
また、豊川市出身の日本画家、平川敏夫の「雪后閑庭」は長野県にあるお寺の庭園に雪が積もった様子を描いたもので、溶けたゴムでかいた後、上から墨を塗り、そのあとゴムをはがし取る技法を繰り返して描くことで、静かな冬の情景を作り出しています。
このほか、六曲びょうぶに円や曲線を用いて水芭蕉を描いた前衛的な作品も展示され、訪れた人の目を引いています。
豊橋市美術館の丸地加奈子学芸員は「時代や個性、技法などを駆使し描かれたさまざまな作品から多彩な墨の色を感じてほしい」と話しています。
展示会は2月11日まで、豊橋市美術博物館で開かれています。
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