浜岡原発の避難先、国が仲介 12都県に受け入れ促す
古賀大己
2014年5月25日05時20分
南海トラフ巨大地震の想定震源域に立つ静岡県の中部電力浜岡原子力発電所で重大事故が起きると、交通の大動脈が分断され、多くの人が避難を迫られる。静岡県は原発周辺の96万人の避難者を12都県に受け入れてもらう方針をたてたが、受け入れ先との交渉が難航したため、内閣府は月内にも12都県に通知を出して受け入れを促す。ただ、通知は受け入れ可能人数を示すよう求めるにすぎず、自治体だけでは解決できない多くの課題がなお残されている。
国が公表した放射性物質の拡散予測に基づき、静岡県は避難計画の策定が必要な地域を原発から半径31キロ圏と定める。31キロ圏にかかる11市町の人口は96万人。圏内には86万人が住む。放射性物質が敷地外に放出されるような原発事故と、南海トラフ地震や津波との複合災害が起きた場合、96万人全員を県外に避難させる。原発事故だけなら県内や隣県などに避難させる方針で、両方合わせて受け入れ要請先は12都県に上る。
茨城県の日本原子力発電東海第二原発の対象人口は最大98万人だが、避難計画のめどがたっておらず、静岡県の計画ができれば全国最大規模になる。
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