国立演芸場「8月中席」に出演した桂歌丸=東京・隼町

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 腸閉塞を患った落語家、桂歌丸(79)が11日、東京・隼町の国立演芸場「8月中席」(20日まで)で5日の退院後初の高座を披露した。

 この日が命日だった三遊亭圓朝作「江島屋怪談」を約50分、熱演。冒頭、大入りの客席に「ご心配やらご迷惑をお掛けしました。何とも申し訳ないと思っております」と謝罪。続けて「まさか2年連続で、同じ月に同じ病気で入院しようとは思っていませんでした」と振り返った。

 終演後には報道陣の取材に約7分、対応。この日の高座を「まぁまぁじゃないですか。時間を感じませんでした。ただ1カ所、間違えましたが」と苦笑い。前日に自宅で稽古をし、この日に備えたという。

 関係者によると退院時に36キロだった体重は今、増えているというが、歌丸は「内緒。みっともなくていえない。体調? あまり良くない。とにかく10日間、無事に務まることを願っています」とした。

 この日は、日本テレビ系「笑点」(日曜後5・30)メンバーの三遊亭好楽(70)、三遊亭小遊三(69)、三遊亭円楽(66)と15分の座談会にも出席。

 同番組を今年5月に卒業した歌丸は「あと3日(14日)で80になります。これからも真っすぐに落語道を進んでいきたい。好楽さん、円楽さん、小遊三さんのところにも稽古に行きたいと思っています」と“お願い”。突然のお願いに3人はのけぞり、観客を笑わせた。

 歌丸は先月17日に自宅で吐き、19日に横浜市内の病院に入院しながら、26日に東京・新橋演舞場で行われた「芸歴65周年記念落語会」などに一時外出許可を取って出演。今月5日に退院していた。